昨年(2019年)12月26日に厚労省に「腹膜播種に対する腹膜切除+術中温熱化学療法の保険収載に関する要望書」を提出いたしましたが、1月9日、令和元年度第3回診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会が行われ、評価結果として、このたびの保険適用にはならないこととなりました。
日本消化器外科学会が提案した、この「腹膜播種に対する腹膜切除+術中温熱化学療法」(整理番号336101)は、先進医療として実施されている技術と同一又は関連していると考えられる技術とされ、今後、先進医療会議と資料を共有する等、連携を行うとのことですが、先進医療会議における評価対象技術とならない技術に該当すると思われ、次回の提案では、先進医療としての実施状況も踏まえつつ、分科会において他の提案と同様に評価を行われることでしょう。(https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000583216.pdf)
さて、「腹膜播種に対する腹膜切除+術中温熱化学療法」は、今回提案された942件のうち、医療技術評価分科会における評価の対象となるもの731件に入っていましたが、医療技術評価分科会は今回改定では対応を行わない技術(479件。新規技術204件、既存技術275件)となりました。評価は「評価すべき医学的な有用性が十分に示されていない」です。(https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000583761.pdf)
エビデンスに尽きるのかもしれませんが、評価されるエビデンスを揃えるためには、一つは資金の確保も必要かと思われます。公正なデータを担保するために外部評価を入れる必要があるからです。
今回、私たち患者会の声を厚労省に届けましたが、2年後の次回の保険改定に向けて、先生方により頑張っていただくために協働していくことが重要かと思います。